2024-06-29

絵本屋への道(2)中学生時代

前回更新から一ヶ月半が過ぎてしまいました…
ゆったりマイペースで更新していきます

新しい作家との出会い

中学校は、町内6つの小学校が1つになるので4学級(165名)となり、学校の図書館も小学校と比べるとそれなりの蔵書がありました。

まず夢中になったのは『シャーロックホームズ』シリーズ。多分、本を文庫で読むことを知ったのもこの時期です。

それからなんといっても国語の教科書で新たに知った「太宰治」「北杜夫」「吉行淳之介」等の作家との出会いが衝撃でした。小学生の時に読んでいた「世界児童文学全集」とは違う新たな世界が広がり、少し大人になった気分でした。

特に太宰治「走れメロス」の文章が好きで、よく音読していました。以後図書館の太宰治は全部読んだと思います。大学3年の夏、北海道に行った帰りに青森の「斜陽館」に立ち寄ったり、最初にバイトしたお金で太宰治全集を買ったりと、中学卒業後もハマっていた作家です。

「北杜夫」の「どくとるマンボウ」シリーズも大好きでした。『どくとるマンボウ青春記』に出てくる旧制松本高等学校時代の描写が本当に楽しかったのを覚えています。(今から10年ほど前、松本のあがたの森公園にあるその当時の校舎に入った時は感激でした。今思えば、信州の憧れは、この本の影響も大きいです)

「読書の楽しさを共有したい」願望のその後

中学生になると、小学校時代と同じく本について友人と語る機会はありませんでしたが、そういうものかという思いもあり、「読んだ感想を共有したい」という願望は次第に薄れていきました。

その理由は、一方で夢中になっていたTVでのプロ野球巨人戦観戦。当時の私は大の巨人ファンで、TV放映のある巨人戦は必ず観て、試合途中で中継が終わってしまうとラジオに切り替えて聴くという日常を送っていました。そして日々、巨人戦の新聞記事も全部スクラップ(当時実家は新聞を2紙取っていたので、その量膨大…)。

お小遣いで欠かさず手に入れていたのが『月刊ジャイアンツ』と『週刊ベースボール』。『週刊ベースボール』は、同じく野球ファンの友達と1週間交代で買っていました。
ちなみに、ほかの同級生女子の関心は当時「新御三家」と言われた郷ひろみ、野口五郎、西城秀樹。私は全く興味がなく野球一筋でした。「人は人、自分は自分」を貫きました。

中学校3年間の野球に関するいちばんの思い出はなんといっても長島茂雄の引退試合。当時ビデオもないので、部活を休み、テレビで長島さんの引退会見(あの「わが巨人軍は永久に不滅です!」)をリアルタイムで観ました。

ということで、中学校時代は一方では読書に、一方ではプロ野球観戦に明け暮れたのでした。つまりは、日々野球の情報を交換できる友人がいたので、読書に関しては「共有」したいという気持ちが退いていったのでしょう。

余談ですが、当時の高校入試は「兵庫方式」(調査書を主資料とし、学力検査を補助資料として決定されるシステム)と呼ばれる制度が導入されており、過去問を勉強するという概念もなく、近くに塾もなく、誰も受験勉強はしていなかった(らしい)ので、私も受験勉強とは縁がなく中学校生活を終えました。

今回はここまで。次回は高校生時代。

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