樹木編に続いて今回は草もの編。土壌への適応力、つまり、植えてから年月が経てば乾燥地にもなんとか適応してくれるという点では、草本よりも木本の方が上だそうですが、どっこい草ものの中にも、乾燥&貧栄養のこごみの庭でもハナから元気なヤツがいるんです。
♦アヤメ
自生してます。安曇野に来た頃、自生のアヤメを見つけて私は感動しました。栽培品よりも若干背が低く、咲き始めが少しだけ遅いです。繁殖力旺盛。世間で誤解されているようですが、アヤメは乾いた草原に自生します。それに対してハナショウブは湿地が好き、カキツバタはゆるやかに流れる水の中に生えます。自生のアヤメがいちめんに咲くゾーンを囲炉裏小屋の横に作ってあります。見頃は5月下旬~6月上旬です。
♦イカリソウ類
園芸店で求めたものや近所の方からいただいた株を植えてます。いったん根付けば無敵。日陰が好き。
♦イチヤクソウ
林の中に自生。勝手に咲いてます。栽培は難しいということです。
♦オオマツヨイグサ
自生。一年草ですが、こぼれダネで毎年生えてくれます。いわゆる雑草ですが、好きな花なので、毎年芽生えるのにまかせて、適当に間引きと切り戻しをして咲かせてます。
♦オカトラノオ
自生。図鑑には湿った地に生えるとあるが、なんのなんの、乾燥したこごみの庭でも地下茎でガンガン広がるので、生えてほしくないゾーンは苦労して引っこ抜いてます。でも園芸店ではいい値段で売っています。そう考えるとよこしまな考えが・・・。
♦オミナエシ
自生。アヤメと同じく、自生しているのを見て感激しました。花穂が背が高くなって倒れやすいのが難点。だから貧栄養の土地の方が背が低くなっていいと思ってます。
♦キキョウ
自生。栽培品より背が高めです。ここら辺ではいわゆる盆花として自生のオミナエシやキキョウなどを利用していたそうです。
♦ギンリョウソウ
自生。亜高山帯のものかと思っていたが、こごみの庭の日陰の秘密の一角に咲くのを見て、これまた感激しました。いわゆる腐生植物です。栽培は無理でしょう。
♦コオニユリ
葉のわきにできるムカゴを地面にふりまくだけで増えます。近所の方からムカゴをいただいてまきました。元気です。・・・ただ、ユリ類やチューリップは、サルが球根とつぼみをねらいます。その中でコオニユリは比較的やられにくいのですが、対策としてキンチョールなどの殺虫剤をつぼみにかけておくというエゲツナイことをやってます。
♦ジュウニヒトエ
自生。園芸種のアジュガの親戚です。
♦シュンラン
自生も見られます。近所の方からいただいた、たくさんの株を囲炉裏小屋の横に植えてあります。
♦スゲ類やススキなど
自生。いわゆるグラスです。せっかく生えているし、見た目もそう悪くない株はそのまま庭の一員になってもらってます。逆に、園芸品種のグラス類はミューレンベルギア カピラリスなど少数にとどめてます。(交雑が心配なので)
♦ツリガネニンジン
自生。ただ、貧栄養のためかあまり大きな株にはなりません。
♦ニラ
自生で勝手に増える。日向、日陰、乾燥、貧栄養、関係なしといった感じで元気です。秋の白花もきれい。サルにも食われない。
♦ノアザミ
園芸店で株を求めて植えましたが、あとはこぼれダネで適度に増えてくれます。
♦ノコンギク
園芸店で求めたものや、近所の方からいただいた株を植えてます。株によって花の色が微妙に濃かったり、薄かったり、秋の終わりを彩ってくれます。
♦ヒヤシンス
驚いたのがこいつ。乾燥した貧栄養の場所に球根を植えて、ほったらかしてあるのに、毎春花を咲かせてくれます。しかも株が増えてます。
♦フロックス パニキュラータ
宿根フロックス、オイランソウとも呼ばれます。品種ものを植えましたが、こぼれダネでけっこう増えてくれて、その実生株の花もきれいなので、あまり品種にこだわることはないかな、と。切り戻しすれば晩秋まで咲いてくれます。うどん粉病で下葉が枯れやすいと言われますが、乾燥気味のおかげか、そんなに壊滅的にはなりません。
♦マウンテンミント
ポール・スミザー氏の本で知りました。シルバーリーフ系。日陰に強く、しずか~に増えていきます。貧栄養のおかげか、ちょうどいい高さで群れてくれます。さわるといい匂い。こごみの庭のは広葉マウンテンミント。
♦ヤブカンゾウ
自生。株分けなどでかなり増えました。栄養がある土の方が花つきはやはりいいみたい。
♦ヤマホタルブクロ
自生。たくさんの株がかたまって生えているというより、少しでも湿り気のあるところに少しずつ勝手に生えてる感じ。
♦ユーパトリウム セレスチナム
一年草のアゲラタムに似た風情で、青色フジバカマという名で流通してます。とにかくあちこちに広がります。青い花が長期間、半日陰でも咲いてくれるのでありがたいのですが、とにかくモンスター級の繁殖力なので、こまめに整理が必要。どんどん草丈も高くなるので、花が咲いたらその後すぐに適当な高さまで切り戻しするといいです。貧栄養の方がちょうどいい大きさになるようです。
♦ユーフォルビア キパリッシアス(マツバトウダイ)
スクリーガーデンゾーンに植えてありますが、地下茎であちこちに広がります。こいつもモンスター級で取り扱い注意。
♦ユウスゲ
なんと自生が一株あったんです。ヤブカンゾウの仲間。
♦ヨウシュヤマゴボウ
勝手に芽生えてくる、いろいろと問題のある外来植物ですが、くやしいことに実(有毒)がきれいなので株をわざと残すこともあります。温暖化が進んできたせいか、最近わりと多く生えてくるようになりました。
♦リクニス コロナリア
スイセンノウともフランネルソウとも呼ばれます。こぼれダネで適度に増えてくれます。
♦リナリア プルプレア
自生ですごく増えますが、繊細な感じで、じゃまに思ったことはありません。切り戻せばまた花が咲きます。
♦ワラビ
自生。地下茎で勝手に広がってます。ただし乾燥&貧栄養のままでは芽が貧弱。堆肥でマルチするとそれなりの食べられる太さにはなってくれます。あまりに茂り過ぎるエリアのものは掘り返して撤去しましたが、黒く太い地下茎は、完全撤去はムリといった感じ。
毎年のことですが、こごみの庭はクヌギ・コナラなどがもうすっかり落葉を終え、すごい量の落葉が地面を覆っています。めっきり寒くなってきました。
次回は冬越しについてです。従来冬越しできないと思われていた植物でも、温暖化の影響か、大丈夫なものがあるんです。そんな情報をお届けします。では。